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いろんなことをつぶやくDJ番組的なブログ。文章書くことはまだ修行中の身です。


ネット海へ放ったいくつかのボトルメール( Messaga in a bottle )       カテゴリーは工事中です



自己肯定感への練習〜うつヌケ

読書 心理 社会

 昨夜の寝る間際あたりに,田中圭一さんの「うつヌケ」というコミックエッセイを読み返していました。布団かぶって読んでるうちに,いつしか眠って朝を迎えた次第。

 

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 まだ10日前に出たばかりの新刊本です。副題には『うつトンネルを抜けた人たち』とあります。田中先生ご本人から始まって,さまざまな方々の体験談が漫画で綴られています。筋肉少女帯オーケン大槻ケンヂ)さんも語っておられます。そうだったのか……たしかにストイックで繊細ってイメージはあるものなあ。あと,代々木忠さんも意外だった。

 田中さんって,ずいぶん昔に「ヤングジャンプ」で4コマか何か書いておられなかったっけなあ。1990年前後あたりですが,5〜6年ほどヤンジャンを毎週購読していた時期がありましたもので。ウィキペディア見てみたのだけど,特にそういうことも書いてなかったので勘違いかも知れないけど。ちょっとシュールで独特な世界観を持っていてけっこう好きだったのですが。あとは田中さんといえば……「コミPo!」という画期的なソフト(PC上での切り貼りみたいな作業だけで手軽に漫画を書けてしまうソフト——音楽でいえばちょうど「ループ」とよばれるパターンを切り貼りして楽曲を作りあげてしまう GarageBand に近い作業とでも言えばいいのかな)をプロデュースされたことでも知られています。試用版を使ってみたこともありますが,たしかにとても面白いソフトでした。ただ……「何に使うか」というモチベーションが私の側になかったので,結局は使いこなすには至らなかったのですが。ってより,私がひたすらMacユーザーで,Windows上でしか動かないソフトをMac上で動かすのがあまりに重かったというのが一番の理由だったかも(笑)。

 まあ,そんなこんなで「うつヌケ」ですが。第一話の冒頭ですでに何か,私のココロは打ち抜かれていました。実はまったく同じようなことを考えていた時期があったから。背景にあった状況(働きづめ,恐怖と不安)までそっくり。私の場合は「娘たちが学校を終えて就職したら」——でした。その日にどこでどう過ごして,で最後にどうやって……ってところまで考えてましたから(苦笑)。

 思い当たるフシもまったく同じ。

 「じゃあなにが原因で田中さんは『うつ』に?」

 「なんだと思う? ボクと同じ原因で『うつ』になっている人ってたくさんいるんじゃないかと思いますよ」

 「なにもったいぶってんですか? おしえてくださいよ」

 「自分をキライになったこと です
  もともとボクは『仕事が好き』……というより,『仕事をしている自分が好き』でした

(「うつヌケ」からの引用,強調<赤>はnagoyanianによる)

  私自身はといえばウツ自体で追い詰められたわけではない(でも病院とか行ったらやはり「うつ」って診断はついてしまったのかも)のだけど,不安と緊張は人一倍強いところがあります。

 ものすごく腑に落ちた箇所がいくつかあります。一番なるほどって思ったのは,田中さんがコンビニの文庫本で見つけた書物に紹介されていたという「自分を好きになる」方法の中の「アファメーション(肯定的自己暗示)」ってところ。朝目覚めた時「自分をほめる言葉」を唱える——というのですが,その根拠として挙げられている内容。

「昼間,意識がハッキリしている時って顕在意識が『ブロック』してくれるけど,朝起き抜けで意識がハッキリしない時って,顕在意識と潜在意識の境界があいまいになっているので,潜在意識に言葉がスッと入ってしまいやすいのさ」

「なるほど。この時に『前向きな発言』や『自分が好き』みたいなのを心の中に入れてやるわけですか」

「あくまで『ボクの場合は』ですけれど,3週間これを続けたら,本当に気持ちが明るくなってきました」

(「うつヌケ」からの引用,強調<赤>はnagoyanianによる)

「自分の『うつ』を治した精神科医の方法」(宮島賢也 川出書房新社)このくだりは結果的に「引用の引用」になってしまっていますのでご了承を……。

 起き抜けのアファメーションという発想は,何か私にもとてもいいヒントになりそうで(そういや今朝も何かヘンテコな夢で目覚めたけどなあ。なんか私は「ムーンライトながら」みたいな感じの夜行列車に乗っていて,ちょうど車内消灯されたままの電車が途中駅につくシーンを夢に見た。どうでもいい話を差し込んですんません)。顕在意識と潜在意識の境界があいまいになっている起き抜けの時間——ぜひともこれ心に留めておきます。

 ウツの渦中でメジャーではないアイドルのポッドキャストにはまっていた田中さんが,ウツから抜けたあとに体験談を連載マンガにした。それに対して,そのアイドルが偶然にもネット上に「それ読んでラクになった」というコメントを載せていたのを目にした。で,コミケで遂にそのご本人とお会いするに至った——そんなエピソードが最後に紹介されていました。ドラマティックなことって起こるんだなあ。悪いほうの「信じられないほどの偶然」ってのは幾らか心当たりはあるけれど,嬉しいほうの「信じられないほどの偶然」ってものにはまだ遭遇したことはないなあ。

 いずれにせよ……いろんな発見のあった本でした。

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